メルマガ バックナンバー MAIL MAGAZINE BACK NUMBERメルマガ バックナンバー MAIL MAGAZINE BACK NUMBER

2023.01.202023年はどんな成長をしたいですか?

リスキリング(reskilling)
職業能力の再開発、再教育をすること。

岸田総理の所信表明演説内で、
リスキリングに今後5年間で1兆円投入と
いう発言があり、リスキリングが
注目されていますね。

今年は、何をリスキリングしたいですか?

さて、この一年であなたはどれくらい
成長したでしょうか?

年始に、自分自身の発達/成長について
考えてみましょう。

「発達するとはどういうことなのでしょうか?」

長期的な視野から、人間の内的な成長について
調査・研究する学問を「発達心理学」といいます。

発達心理学者 エリク・H・エリクソン氏の
心理社会的発達理論が有名ですが、
今日はその話ではありません。

『人間とは「意味」をつくる存在である』

ハーバード教育大学院の
ロバート・キーガン博士は

人間存在を規定するもっとも
本質的な精神活動を「意味をつくる行為」
(meaning-making activity)
と定義しています。

日常生活の中で 我々は
実に多様な経験をしています。

ときには納得のしようのない
あまりにも理不尽な危険に
さらされることもあります。

しかし、そうした経験に直面しても、
なお我々はそこに「意味」を
見出そうとします。

このように、人間とは、
本質的に意味をつくることを
宿命づけられた存在だといえます。

とキーガン博士は言っています。

そして、インテグラル理論を提唱した
ケン・ウィルバーは、

個人の成長/発達には、
「垂直的発達」と「水平的発達」
の2種類があると言っています。

「垂直的発達」は、レベル、発達段階が
上がるプロセスのことを意味します。

これは個人の意味 構築活動が
ひとつ上の段階の機能・性能を
獲得することです。

こうした類の成長は、ゆるやかに進みます。
ギーガン博によると、もっとも速い場合でも
5年を要すというものです。

「水平的発達」は、同じ発達段階の中で、
新たな知識や経験を蓄積していくことを
意味します。

自身が所有しているスキルを
適用できる範囲を広げてより、
多様な課題や問題に対処できるように
するというのは、水平的発達といえます。

高次の発達段階に向けて、
自己を成長させていくことは
高層ビルを建てることに例えられます。

高い建物を建てたいのであれば、
基礎の面積を十分に確保するとともに、
高層部を支える低層部に関しても
細心の注意を払う必要があります。

基礎を固めることが重要になるのです。

——————————————–

さて、今年は、どんな成長がしたいですか?

今年は垂直的な発達を目指すのか?
水平的発達をするのか?

学習の5段階という成長サイクルがあります。

成長は相関的で統合的なので
水平的発達を目指し、
基礎を固めることを継続していけば、
垂直的発達につながるとも考えられます。

その場合は、より大きな発達である
垂直的発達を目標にして、
水平的発達の範囲を広けることが
大切でしょう。

できあがったオトナからの
さらなる成長は素敵です♪

 

参考文献:入門インテグラル理論
著者:鈴木規夫・久保隆司・田中 烈
出版社:日本能率協会マネジメントセンター