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2022.03.22あなたは私の話に耳を傾けてくれた初めての大人です。

最近、感動した、話を聞く/聴くこと、
あり方が運命を変えた実話をご紹介します。

人の成長に関わるリーダー、コーチ、
子育てに活かせることでしょう。

1984年より国連児童基金(ユニセフ)親善大使をしている
黒柳 徹子さんの特集「黒柳徹子の生き様」を
テレビ番組*で、偶然見ました。

親善大使として、初めてネパールを訪問して
出会った15歳の少女との実際の会話のビデオでした。

黒柳さんは、内戦が10年続いたネパールに
2009年に初めて訪問しました。

ネパールは、子どもが5歳くらいから
労働しています。

子どもの約半分が栄養失調、
国民の3分の1が本当に大変な貧困、
平均年収は3万円。

砂を背中に背負って運んでいる少女(シータさん)との出会い。

学校には行けず、朝早くから肉体労働している
厳しい現状。

黒柳さんは、彼女に

「大きくなったら、何になりたいの?」

少女の運命を変えた一言です。

実際の動画では

「大きくなったら、
こんなことがしたいなっていうのはあります?」

と聞いています。

今まで、将来のことなど
誰からも聞かれたことがなかった少女。
今日明日を生きることに必死の毎日です。

黒柳さんの質問で、
少女は、初めて将来のことを考え出しました。

「将来は洋服の仕立て屋さんをやってみたいです」

「あなたのデザインしたお洋服を
私が着てテレビに出るわ」

「なるべく早くデザイナーになってください。
私があんまりおばあさんにならないうちに」

その時、少女の目はキラキラして

「希望」と口にしていました。

「未来への希望」

笑顔がとても素敵でした。

黒柳さんの質問で少女の運命が動き始めました。

そして、7年後の2017年、ネパールを再訪し
その時、22歳になったシータさんと再会。

彼女の手には、黒柳さんへのプレゼントに
手作りしたスカートとベストを持って現れました。

彼女は、デザイナーになるため学校に通い、
必死にお金を貯めてミシンを買って
裁縫の勉強をしていました。

再会した黒柳さんに彼女は、

「私の将来を一緒に考えてくれる人はいませんでした」

「あなたは初めて私の話を真剣に聞いてくれた
大人の方でした」

と涙を浮かべながら話していました。

「どんなことがあっても夢を叶えます」

と抱き合う二人。

 

そして、その当時のことを現在の黒柳さんは

『何になりたいの?』

なんて 声をかけてくれる大人が
本当にいなかったんだろうなと思って。

きっとあの子はデザイナーになって
いつかまた会える事があったらうれしいなと思います。

将来の事とか、夢とか、希望とか
自分に聞いてくれた人がいなかったというのを聞いた時に

日本では「大きくなったら何になりたいの?」なんて
みんな平気で聞きますけれども

全くそんなことを聞いてくれる事が
いなかった子どもが
本当に喜んでくれたことが
私は本当に嬉しかったです。

と語っていました。

———————————————–

この実話からも気づくように
「話を聴くこと」そのことが
存在承認になりますね。

認められていないと感じる人は
ますます孤独になるでしょう。

孤独は暴走を生みます。

こんな時代だからこそ、
人とのつながりは
話を聴くことからかもしれません。

「大きくなったら何になりたいの?」は

日本では当たり前に聞かれ、
なりたいものを大きな声でいる子どもがいる一方、

親が喜びそうなことを言う子どももいれば
何回も聞かれて飽きている子どもがいるかもしれません。

それでも大人も子どもも
心の奥底では、
安心して、WANT(欲しい状態/希望)が
言いたいし、聴いてほしいと
願っているのです。

「何になりたいのか?(どうありたいのか?)」

「どうしたいのか?」

という問いかけをし、
熱心に耳を傾けていきたいです。

もしかしたら、
私たちは、目の前の人にとって
「私の話に耳を傾けてくれた初めての大人」に
なるかもしれません。

未来へ。つなぐ。希望。

 

*テレビ番組(フジテレビ) より引用
世界の女性たちのアッパレな生き様を楽しみながら、
共にSDGsについても考える番組

『世界アッパレ女性列伝 SDGs
バラエティ 生様様様(いきざまさまざま)』