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2022.07.20コーチングの成果と研究/脳活動

コーチングを組織に導入している企業から
初期段階の途中経過として

「参加者の発言が前向きになってきた」
「話が長かった人の話が短くなってきた」
「自分の話ばかりしていた人が話を聞けるようになってきた」
「組織の雰囲気が変わってきた」

というフィードバックを受けました。

変化はどうして起こったのでしょうか?

答えは、

コーチングを導入したから。

ですよね(笑)

では、なぜ、コーチングを導入すると
効果が出るのでしょうか?

世界ではコーチングについて様々な
研究がされています。

国際コーチング連盟(ICF)の
ソートリーダーシップ研究所
(集団的知惠のシンクタンク)

The ICF Thought Leadership Institute
(A think tank of collective wisdom)

ICFソートリーダーシップ研究所は、
コーチングの未来を創造し、
明らかにするために設計された
人間開発に関する共通の知識のグローバルハブです。

国連のアクションプラン/社会福祉行動計画に
沿って活動しています。

The ICF Thought Leadership Institute
(英語です/ 日本語翻訳を選んでください)

ICFジャパンのコンバージ(オンライン2022/06/18)で
佐藤 典子氏の講演

『実践と研究のハイブリッド型コーチが語る
コーチングの科学』で

「相手を無条件に受け入れ、
承認してポジティブな関わりをすると、
なぜコーチングの成果が上がるのか?」

という問いがありました。

どうしてだと思いますか?

 

「脳が影響しています。」

佐藤氏からの答えは、

一つの例として
PEA vs.NEA (Boyatiz教授)

PEA:ポジティブ・エモーショナル・アトラクター
Positive Emotional Attractor

NEA:ネガティブ・エモーショナル・アトラクター
Negative Emotional Attractor

ポジティブな感情を引き寄せるアプローチか
ネガティブな感情を引き寄せるアプローチか。

とのことです。

そして、心理的安全性や関係性、
ミラーニューロン
(ポジティブな関わりや感情を自動コピーする)の
働きもあることでしょう。

現場では、なんでもポジティブに受け入れることは
できないという声も聞きます。

当然のことと感じます。

評価(良い悪い)や否定ではなく、
認める(あなたはそう考えている)ことは
できるではないでしょうか。

ICFソートリーダーシップ研究所のサイトに掲載の

アンジェラ・パッサレッリ博士(アメリカ)
Dr. Angela Passarelli

「アンジェラ・パッサレッリは、
コーチング研究における脳活動の氷山をマッピングする」
Angela Passarelli maps the iceberg of brain activity in coaching research

という研究記事が非常に興味深いです。

(下記、一部日本語翻訳で掲載)

コーチングの研究は、これまで、コーチ、クライアント、研究者が
観察したコーチング体験について質問することに依存してきました。

アンジェラ・パッサレッリ博士は、
無意識のレベルで脳に何が起こっているのか、より深く掘り下げていきます。

脳とコーチングについてわかっていること
What we know about the brain and coaching

パッサレッリ博士の研究は、fMRI脳スキャンを使って
コーチングにおけるポジティブな経験とネガディブな経験に
脳にどのような反応をするのかを調べています。

ポジティブ・エモーショナル・アトラクター(PEA)
ポジティブな感情を引き寄せるアプローチの方が
行動変容を促進することが示されています。

反対意見も一旦受け止めて(認めて)から
会話をする方が、その後の会話が建設的になるでしょう。

脳が無意識に、受け入れてもらったと認識することが重要です。

 

詳しくは、↓
脳内の視覚化:インスピレーションを与えるコーチングとメンタリングのfMRI研究より
Visioning in the brain: An fMRI study of inspirational coaching and mentoring

効果的なコーチングとメンタリングは、個人と組織の成功に不可欠であるが、
その神経基盤については、比較的知られていません。

ポジティブ・エモーショナル・アトラクター(PEA)に
対するコーチングとメンタリングは、
個人の希望や夢に対する思いやりを重視し、
行動変容を促進することが示されています。

一方、ネガティブ・エモーショナル・アトラクター(NEA)に
対するコーチングでは、
外的に定義された成功基準とそれに対する本人の弱点に
焦点を当てることで、持続的な変化を示しません。

我々はfMRI脳スキャンを用いて、
これら2つのコーチングスタイルに関連するBOLD反応を測定した。
PEAコーチングはグローバルな視覚処理の増加と副交感神経系(PNS)の関与に関連し、
NEAコーチングは交感神経系(SNS)の関与をより高めると仮定した。

 

参照先:

Angela Passarelli maps the iceberg of brain activity in coaching research


https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/17470919.2013.808259