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2015.04.20そんな単純でいいの?

「HAPPY NEWS 2014」というのをご存知でしょうか?
日本新聞協会は、4月6日の「新聞をヨム日」にあわせ、
読んで幸せな気持ちになった新聞記事とコメントをを募集した
「HAPPY NEWS 2014」の入賞作を発表。
大賞は昨年10月9日付南日本新聞の記事「整頓されているから」に
感想を寄せた鹿児島県の古垣ひとみさん(41)が選ばれました。

大賞の記事については、ニュース番組でも再現VTRで
取り上げられていました。
「整頓されているから」
記事は、高校3年生がアルバイト先で整頓されている作業車を見て
「こんな会社で働きたい」と問い合わせたところ、
社長の心を動かし採用したという内容です。
南日本新聞 2014年10月9日付の朝刊記事より以下、抜粋。
「高卒の採用予定はなかったけど、急きょ採用試験をすることにした」
鹿児島市内の会社経営者の語り始めた。
ある高校3年生の言葉がきっかけだった。
高校生は、会社の作業車が給油するガソリンスタンドで
家計を助けるためにアルバイトをしている。
その彼が給油中に、社員に、
「高卒の採用はないのですか?」と聞いたという。
後日、別の社員も同じ話を社長に報告した。
「なぜわが社に入りたいのだろう」
気になった社長は、別の社員に聞いてもらった。
すると、
「どの社員の作業車も、道具類がいつも整頓されている。
こんな先輩たちのいる会社で頑張りたい」と語ったという。
驚くような動機。(ここまで記事抜粋)
−−−−−−−−−−−−−
ニュースの再現ビデオで社長は、
「小さな会社で今まで中途採用しかしていない。
 即戦力の理由から新卒採用は考えたこともなかった」
と話されていました。
以前は、社員が辞めていき、
経営難に直面したこともあるそうです。
この高校生さん、
とても目のつけどころがいいと思いませんか?
そんな単純でいいの?(笑)

この事例、会社でも個人でもヒントになりそうですよ。

社長は、インタビューで語っていました
「高校生が社車の状況を見て、一生の仕事にわが社を選ぶなんて、
 驚いたし、うれしい。
 一度会ってみたくなかったが、その時点では採用するつもりはなかった」

「以前は、経営の危機があり、社員が辞めていき、社内が暗かった。
 社内を見渡すと、誰もあいさつをしていないし、会話がないことに気づいた」

「これではダメだと思った。
 会社を明るくしたいと思って、社員一人一人に朝のあいさつをして回った。
 ハイタッチつきのあいさつ。

「最初は、みんな冷めていたし、ぎこちなかった。
社員が出て行くときも、ハイタッチであいさつしにまわった。
社員が帰ってきたときも、ハイタッチであいさつしにまわった。

そのうち、社員同士でハイタッチであいさつするようになった。」

高校生と面談して、心動かされた社長は、
彼一人のためだけに、彼の学校に急きょ求人表をだし、
9月下旬に採用試験を実施し、成績は優秀、即座に採用を内定。

母子家庭で育った彼は、県内で働いて
今度は自分が親に恩返しがしたかった。
県内での就職を希望していたが、求人がなかった。

ニュースでは、この春入社した彼と会社が実写VTRで登場していました。

朝礼の場面では、ハイタッチであいさつ。
出て行くときも、ハイタッチであいさつ。
帰ってきたときも、ハイタッチであいさつ。

社長がはじめた社長⇒社員へのハイタッチあいさつは、
社内全体、社員同士の双方向の⇄ハイタッチあいさつになっていました。

今年入社した彼(3月まで高校生)もハイタッチあいさつして
仕事を覚えている姿を見て、ちょいと感動の涙でした(笑)
「整頓されているから」

単純だけど、本質ではないでしょうか?

彼が会社を選んだ理由。

「どの作業者、道具類がいつも整頓されている。
 こんな先輩たちのいる会社で頑張りたい」

新聞記事はこんな言葉で締めくくられています。

会社の質と信頼度は、こんなところに表れるかもしれない。